リード文
少しずつシェアが拡大している電気自動車ですが、ユーザーが望むことのひとつ『充電規格統一化』の目処は、今のところまだ立っていません。
電気自動車の普及が進められているものの、各国には様々なステークホルダーが存在しそれぞれ目指している方向性は異なります。
しかし、日本と中国の両国は共同開発案件としてChaojiと呼ばれる規格を開発しており、2023年の実用化を目指しています。
各国でガソリン車の販売に規制がかかっている昨今、電気自動車を所有するユーザーは拡大するでしょう。
拡大するユーザーは、安全で高出力充電を期待でき且つ規格が統一された充電スタンドを求めることが考えられます。
現4つの充電規格
現在普及している急速充電器の規格は以下の4つです。
CHAdeMO規格
GB/T規格
CCS規格
テスラ規格
日本国内で製造および販売されている電気自動車はCHAdeMO規格を採用しています。
GB/T規格は中国、CCS規格は米国および欧州、そしてテスラ方式はテスラ車の電気自動車で利用可能になっています。
米国『CHAdeMO対応の充電器を段階的に廃止』
米国のElectrify AmericaはCHAdeMO対応の充電器を段階的に廃止していくことを発表しています。
CHAdeMOが廃止される理由の1つはCCS規格の高出力化が挙げられます。
電気自動車は販売開始より長距離走やバッテリー搭載量が増えてきたりと少しずつ進化してきました。
このような進化の中で求められるのは高出力が可能な充電です。
しかし、CHAdeMO規格はCSS規格と比較すると高出力化の面で技術力で劣ってしまうことが段階的に廃止される要因となっています。
ユーザー視点での期待は『短時間で安全に充電できること』
今後増加するユーザーが期待するであろう点は『短時間で安全に充電できること』と言って良いでしょう。
現状、電気自動車の充電は普通充電であれば5〜16時間、急速充電は30分で80%近く充電することができます。
これはガソリン車の給油と比べると多くの時間を要してしまい、ユーザーは満足するとは言い難いでしょう。
充電規格の統一と短時間で安全な充電はユーザーの利便性を考えると避けては通れない課題の1つと言えます。
また、規格の統一はユーザーの電気自動車購入のハードルを下げる要因の1つになるでしょう。